2014-07-30

チチタケに群がるハネカクシの一種


 写真のキノコはチチタケでしょう。 有用な食用菌です。


 元気なチチタケは、ほんの少しの傷でも、そこから乳白色の液体( 以下「乳液」と書きます )を出し、このことが和名の由来になっています。 上の写真は、できるだけそっとキノコを抜いて裏返しにしたつもりですが、それでも赤い矢印の所などに乳液が出ています。 この乳液は時間と共に褐色になります。 上の写真のひだに見られる褐色のしみは、この乳液の乾いたものでしょう。 そして、このしみを作った(=乳液を出させた)張本人は、上の写真のあちこちに見られるハネカクシでしょう。
 この乳液はハネカクシが歩き回るだけでも分泌されているようです(下の写真)。


 上の写真は乳液にピントを合わせましたが、以下、ハネカクシにピントを合わせた写真です。


 よく見ると、このハネカクシはヒダの隙間にたくさん潜んでいました(上の写真)。


 ハネカクシの体長には個体差がありますが、2~3mmほどでした。 このハネカクシはおちゃたてむしさんのところ(こちら)に載せられているものによく似ていますが、そのハネカクシも、やはりキノコ(テングタケ科?)のヒダの間に集団でいます。


 じつはこのチチタケと昨日載せたコトヒラシロテングタケ(こちら)との距離は2mほどです。 それほど近い距離にありながら、コトヒラシロテングタケにはツヤヤドリタマバチばかりが、チチタケにはハネカクシの一種だけが集まっていました。 これをどのように理解すればいいのでしょうか。 虫によるキノコの好みが違うのでしょうか。 それともこれらの虫には同種を呼び寄せる集合フェロモンのようなものがあるのでしょうか。

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