2014-08-13

ミナミカマバエ


 写真は前脚が鎌のようになったミナミカマバエ(ミギワバエ科)です。 湿地にいて、この鎌で小昆虫を捕らえて食べるようです。 捕らえるところを見たいものですが、ミナミカマバエの体長が3mmほどですから、捕らえていても、肉眼では分からないでしょうね・・・。


 上は脚を縮めている時の姿です。 じっとしている時はこのスタイルが多いようです。 中脚と後足で体を支え、やや体を持ち上げている姿勢は、カマキリによく似ています。


 上は正面から見たところです。 肉食となると眼も吊り上がるのでしょうか。

 以上、背景がミナミカマバエの体の色と異なる方がよく分かるし、美しいので、デンジソウの葉の上で撮ったものを載せましたが、実際はほとんど泥の上を動きまわっていて、葉の上にはなかなか来てくれませんでした。 以下は泥の上の様子です。


 上は背側から撮ったものです。 ミナミカマバエはそんなに珍しい種でもないのですが、このようにして見ると、体の色が背景の色と似ているうえに、小さなハエと区別が難しく、見過ごされているケースが多いのでしょうね。


 上の写真、右上と左下にミナミカマバエがいて、2頭とも鎌を広げています。 写真的にはこのくらいの方が納まりがいいのですが、実際にはもっと離れた距離から互いに意識し合っているようでした。
 前脚は動かすと白い部分が目立ちます。 そのことを考えると、上はオス同士の争いかもしれません。 時期的なものかもしれませんが、あちこちで上のようなシーンを見ることができました。


 一般的に、動くものを捕らえて餌にしているものは、あまり逃げないような気がします。 ミナミカマバエもそんなに飛びません。 上はその貴重な飛翔シーンです。 と言いたい所なのですが、じつはフラッシュの光に驚いて跳び上がった瞬間が、たまたま写っていただけです。

 ところで、日本のカマバエの仲間( Ochthera属)は、下の3種が知られています。( [ ] 内は日本での分布)
  O. japonicus(ヤマトカマバエ) [ 北海道、本州(茨城県以北) ]
  O. circularis(ミナミカマバエ) [ 本州(茨城県以南)、四国、九州 ]
  O. pilimana [ 九州 ]
 「一寸のハエにも五分の大和魂・改」には、これらの前脚の図や検索表も載せられています(こちら)ので、上に載せた写真はミナミカマバエで間違いないと思います。


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