2015-09-04

ツノホコリ

 高地では早くも初雪が降り、切株に残る雪が・・・


 と言いたいところですが、写真は 2015.8.24.の堺自然ふれあいの森です。


 白く見えていたのは、近寄ってみれば白く細いチューブ状のものの集合体、ツノホコリ Ceratiomyxa fruticulosa です。


 ツノホコリの仲間は以前は原生粘菌とされてきました。 しかし他の原生粘菌よりずっと大形で、DNAを用いた系統解析でも他の原生粘菌よりもずっと変形菌に近いことが分かりました。
 本種も変形菌同様、単細胞のアメーバ状の時期も、変形体の時期も、写真のような子実体形成の時期もあります。 しかし写真の白いチューブ状の子実体は、変形菌のような子嚢を形成しません。


 子実体の内部は粘液で満たされていて、その表面には細く短い毛状のものが無数にあり、その先に胞子が1つずつ形成されます(上の写真の朱色の円内:長さは 30μmほど)。 この様子が担子菌の担子器のようであることから、本種の子実体は「担子体」と呼ばれています。

 このブログの Part1では、上と同じと思われるツノホコリや、担子体の集合体が球形になるタマツノホコリを載せています。