2015-11-06

モンウスギヌカギバの翅の模様

 モンウスギヌカギバ Macrocilix maia は成虫が4月~8月と10月に見られるカギバガ科の蛾です。 以前ブログにも載せましたし(こちら)、今年も10月に堺自然ふれあいの森で見ましたが、目立つ模様で強く印象に残る蛾ですので、「何度も撮ってるし・・・」で、最近は撮影をスルー。 で、下に載せた写真は昔に撮ったものばかりです。

2008.6.14.

2008.7.12.

2009.5.30.

2010.8.29.

 この蛾に関して、Carly Brooke(2015)が、おもしろい話題を提供していて(こちら)、あちこちのブログなどでも取り上げられていますので、目立つ模様にする理由を考える1つのヒントにもなるかと思い、私も昔の写真を掘り出してみたという次第です。
 Carlyの内容を私の意見も少し含めて簡単に書くと、この蛾の前翅の模様がある種のハエに似ていて、これが天敵である鳥から身を守るのに役立っているというわけです。 すばしっこいハエを餌にしようと追いかけることは割に合わないと思うのか、鳥はハエを餌にしようとしないということです。 1点(ハエに似た模様)に注意を奪われると、その周囲が見えなくなり、蛾に注意が行かなくなるということでしょうが、本当かな、という気もします。
 このハエに似ているとされる模様にも個体差があり、やはり対称性の強い模様ほど何かの虫を連想させますが、少なくとも日本のモンウスギヌカギバでは、そんなにハエに似ているとは思えません。 Carlyの写真はマレーシアのキナバル山産のもので、ハエの頭部に相当する模様の部分が日本産のものより大きく、たしかに上に並べた写真よりはハエに似ている気がします。 日本のモンウスギヌカギバの成虫も鳥から逃れることができているのでしょうか。

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