2016-05-18

キンシゴケ


 写真はキンシゴケ Ditrichum pallidum でしょう。 和名は蒴柄を、その色や長さから、金色の糸にみたてたところからでしょう。


 蒴は基部がやや膨らみ、蓋は長い円錐形です。


 上は蒴を裂いて平らにし、蒴歯を見たものです。 蒴歯は基部まで線状に2裂しています。


 上は蒴歯の先端近くを見たものです。 蒴歯は基部から先端まで細かいパピラで覆われています。 周囲にあるのは胞子です。


 茎は短く、その茎の周囲にたくさんの細い葉がつきます。 胞子体は茎の先端につきます。


 葉は5mmほどの長さです。


 上は葉の基部付近を撮ったものです。 葉の基部は卵形で鞘状に茎を抱いていますので、1枚の葉を基部まできちんと剥がすのは困難です。 上の写真も基部が少し失われています。 中肋は基部では幅広く、境界は不明瞭で、鞘部の肩より上では幅の大部分を占めています。

 以上の写真はKOBEコケ展の展示品を撮るとともに、少しいただいたキンシゴケについて調べたものです。

こちらには本種の葉を中心に載せています。