2014-07-18

ガマの葉の上で ①ガマノハアブラムシ


 上はこれからの話の舞台になったガマですが、この下の方を見ると・・・


 たくさん見える黒い点のほとんどはガマノハアブラムシですが、上の写真には他の生物もいろいろ混じっています。
 アブラムシ類の戦略は、とにかくたくさん仲間が増えれば誰かがどこかで生き残るだろうということでしょうが、同一種の生物の密度が高くなれば、それを餌とする捕食者が集まるのは自然のならい、そしてそこには複雑な被食-捕食の関係が生じます。

 今日から4日連続で、このガマの葉の上で繰り広げられていた被食-捕食の関係を載せていくことにします。

 1回目の今日は、ガマノハアブラムシです。



 上はガマノハアブラムシの無翅型です。 幼虫は淡い体色ですが、生長すると体色は黒褐色で強い光沢があり、個体によってはやや緑色を帯びています。 角状管や尾片は黒色です。


 上はガマノハアブラムシの有翅型です。 写真は7月中旬の撮影ですが、多くの無翅型に混じって、少数の有翅型がいました。 ガマノハアブラムシが周年ガマの仲間の上で生活するのであれば、ある確率で有翅型が生ずるのでしょうか。


 いろんな虫たちの餌にされるアブラムシですが、アリという味方もいます。 このガマノハアブラムシには複数種のアリが来ていました。 上はそのうちの一種、アミメアリです。 アリはアブラムシから甘露をもらい、甘露を提供してくれるアブラムシを守るという共生関係にあると言われています。 このため、アブラムシはアリマキつまり蟻の牧場(まきば)とも呼ばれています。 しかし、アリとアブラムシの結びつきの強さは種によって異なるのでしょうが、ガマノハアブラムシとアミメアリとの関係では、アミメアリは甘露をもらえるだけで満足し、アブラムシを守る行動に対しては、熱心さは感じませんでした。

 明日はこのガマノハアブラムシの捕食者たちを載せる予定です。



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