2014-08-19

ツクバネソウ──オシベが鳥を呼ぶ──

 遅くに咲いたツクバネソウは遅くに果実が熟しますが、金剛山では毎年、ほとんどのツクバネソウが5月はじめに開花し、毎年同様の時間経過で果実が熟します。 ツクバネソウについては、Part1でいちど載せています(こちら)が、金剛山でツクバネソウの花から果実が熟すまでの変化を追ってみました。


 上は4月下旬の撮影です。 ツクバネソウはまだツボミです。 4枚の外花被片(ガク片)が内部を保護しています。


 上は5月はじめの咲いたばかりのツクバネソウです。 ツクバネソウの花には花弁はありません。 メシベの4本の花柱は真っ直ぐに上方に伸びています。 花粉はまだ出ていません。


 上は5月中旬の撮影です。 8本のオシベの葯からは花粉が出ています。


 上は6月下旬の撮影です。 多くの花のオシベは花粉を出し終えると枯れるのですが、ツクバネソウでは、上の写真のように、オシベの花糸がしっかりと残っています。


 上は7月下旬の撮影です。 6月下旬とそんなに変わっていないようですが、オシベの花糸が厚くなってきています。
 この後、果実が熟すと黒い色になり、それと共に、ガク片は垂れ下がり、オシベはさらに太くなり、赤く色付き、垂れ下がってきます。 この状態の写真を撮りたいのですが、赤いオシベの上に乗った黒い果実は鳥たちによく目立つようで、野鳥も多い金剛山では、ツクバネソウの果実は、黒く熟すとすぐに鳥に食べられてしまうようで、まだ撮影の機会には恵まれていません。


 上は8月中旬の、果実が無くなってしまったツクバネソウの様子です。 4枚の緑の垂れ下がったガク片の上に覆いかぶさるように、厚く赤く色付いた8本のオシベ(花糸)が残っています。
 オシベが赤く発達するのは、鳥を呼び寄せるためでしょう。 オシベがこのように花後に発達する植物は、とても珍しいと思います。

2 件のコメント:

わんちゃん さんのコメント...

つい最近のこと「赤いのは何の花かな?」っと・・・出会ってるんです。
順序建てて見させて頂くとナルホド・・・です。
何年か前に2枚目の写真のような花の状態を撮ったのがありました。
黒く熟した果実を鳥たちより先に見つけたいモンです。

左木山祝一 さんのコメント...

> 黒く熟した果実を鳥たちより先に見つけたいモンです。
同感です。
金剛山だと8月10日前後が狙い目かな。