2015-07-15

ヒジキゴケ


 上は乾いた石垣についていたヒジキゴケ Hedwigia ciliata です。 湿ると葉が開く(こちら)のですが、上は乾いた状態です。


 上は乾いたヒジキゴケを採集し、ほぐしたものです。 重なりあっていた部分は黒っぽくなっています。 和名は、この状態が乾燥したヒジキに似ているということのようです。


 ヒジキゴケは雌雄同株ですが、胞子体は枝に側生し、柄はごく短く、苞葉に埋もれていますので、自然に生えている所を肉眼で見ても、胞子体の存在は見逃しがちになります。 上の写真では、重なっていたりしてはっきりしないものもありますが、胞子体が9個ほど写っているのですが、分かるでしょうか。


 上は若い蒴です。


 上の蒴は胞子が出てしまって空になっています。 蒴歯はありません。 苞葉の先端部の縁には糸状の付属物があります。

 以下は、葉についてです。



 上の2枚は、葉の先端部と基部の顕微鏡写真です。 葉の縁は全縁で、先端は歯のある透明尖となり、中肋はありません。


 上は葉の縁の一部を拡大したものです。 細胞の表面からは、1~数個のパピラ(乳頭)が伸び出ています。

(2015.6.17. 岩湧山 標高400m付近)

こちらには本種の帽の様子などを載せています。