2016-04-08

3月のコウヤコケシノブ


 上は 2016.3.29.に岩湧山で撮ったコウヤコケシノブ Hymenophyllum barbatum です。 写真の上の方に写っているのは見慣れた姿ですが(コウヤコケシノブの葉はこちらにも載せています)、写真中央の葉身の縁には褐色の毛が目立つ球状のものがあちこちに見られます。 下の写真は、これを見上げるようにして大きく撮ったものです。


 奇形か生殖に関する何かかと悩みましたが、葉の裏の軸上にあるはずの褐色の毛が表側に目立っていることに注目し、よく観察すると、新葉が展開しているところのようです。 コウヤコケシノブもシダ植物ですから、巻いていた葉がほどけるように広がっていくのはあたりまえですね。 多くのシダとは葉の様子が違うので、違って見えただけのようです。


 生殖に関しては、胞子嚢の観察には少し遅いのですが、古い葉の葉縁にはソーラスが見られました(上の写真)。 胞子嚢群を上下から挟むように保護している包膜の上縁には鋸歯が目立ちます。


 上は包膜の片側を取り去って、胞子嚢群を見たものです。 胞子嚢群は軸の延長上につくようです。


 コウヤコケシノブは細い根茎が長く這い、その所々から葉が出ます。 多くの場合、葉の長さはせいぜい数cmです。 ところが・・・


 今年の3月9日に京都市の北山で見たコウヤコケシノブの葉は、上の写真のように13cmほどもありました。 琉球列島にはこれより大きなものもあるようですが・・・。

明日はコウヤコケシノブのコケに似た側面について書く予定です。

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