2017-06-23

タカネシゲリゴケ


 写真はタカネシゲリゴケ Nipponolejeunea subalpina でしょう。 亜高山帯以上に分布するコケです。 倒れて他の木に引っかかり地上高 1.5mほどの所で横になっている幹についていました。
 赤い円で囲った部分など、花被の3稜が目立ちます。


 背片の縁には長毛が見られますが、全ての背片に長毛があるわけではありません。


 枝の幅は葉を含めて 0.5mmほどです。(上の写真の最小目盛は 0.1mmです。)



 腹片の長さは背片の3/4~同長、腹葉の幅は茎径の2倍ほどでした。

(2017.6.15. 北八ヶ岳)

2017-06-22

ナナホシテントウの蛹に寄生していたヒメコバチ





 上はナナホシテントウの蛹に寄生していたヒメコバチ科の一種です。 体長は 2.4mmでした。 堺自然ふれあいの森で1頭いただき、6月8日に撮影しました。


 上が寄生されていたナナホシテントウの蛹です(頭部は左です)。 中央の孔からたくさんのヒメコバチが出て来たそうです。


 上は寄生されていたナナホシテントウの蛹を横から撮ったもので、ヒメコバチが脱出した穴は赤い矢印の所にあります。


2017-06-21

キヒシャクゴケ



 キヒシャクゴケ Scapania bolanderi は亜高山帯に分布する苔類です。 木の根元でちょうど胞子体をつけていました。 上の状態では葉の様子がよく分からないので、湿らせたのが下です。


 腹片が背片よりも大きいのはヒシャクゴケ科の特徴です。 なお、ヒシャクゴケ科には腹葉はありません。
 背片も腹片も葉縁は鋸歯状になっています。 葉の下に茎が黒っぽく透けて見えています。


 葉縁の歯は2~5細胞からなっています。


 上は葉身細胞で、やや大きなトリゴンが見られます。 油体は球形~卵形で、微粒の集合です。



 明るさに差があり、茎が黒くなってしまいました(上の2枚の写真)。 葉腋には長毛がある鱗片状の毛葉があります。

(2017.6.15. 北八ヶ岳)


2017-06-20

テガタゴケ




 樹皮に生育していたテガタゴケ Ptilidium pulcherrimum です。 テガタゴケは亜高山帯以上に分布している苔類です。 古い部分は褐色になり、新しい部分も黄色味を帯びていて、肉眼的には美しいコケとは言えないのですが、拡大するとその繊細さに驚かされます。


 ほぐして湿らせてみたのが上ですが、どれが1枚の葉なのか、よくわかりません。


 上が1枚の葉です。 葉は不等に3(~4)裂しており、各裂片の縁には長毛が見られます。 「手形苔」の名は、この葉の形に由来するのでしょう。


 上は腹葉です。 葉掌部が膨らんでいる様子は顕微鏡下ではよく分からなくなりますので、上のような写真にしました。

(2017.6.15. 北八ヶ岳)

2017-06-19

フタバネゼニゴケの雌器托


 雌器托をつけたフタバネゼニゴケ Marchantia paleacea の群落がありました。 この雌器托の裏を見ると・・・


 上の写真では、雌器托の下には包膜に包まれたたくさんの胞子体が見られます。 この胞子体は受精卵が細胞分裂を繰り返して形成されます。
 フタバネゼニゴケはゼニゴケと同じ Marchantia属です。 ゼニゴケの精子が卵細胞にたどりつくしくみはこちらで考察しましたが、同属のフタバネゼニゴケでも同様のしくみがあるはずです。 精子の通り道を確認してみました。
 下の写真は上の水色の線で示した所の、その下の最後の写真は上の赤い線で示した所の断面です。


 上は雌器托の柄の断面です。 ゼニゴケ同様、上の写真の下方には1対の仮根束が存在します。 上の写真では切片が厚すぎて、1本1本の仮根の断面は確認できませんが・・・。
 毛管現象によって、精子はこの仮根束の中を上昇して卵細胞にたどり着くのでしょう。


 上は胞子体をぶら下げている部分の雌器托の断面です。 仮根束が胞子体のすぐ近くにまで、つまり造卵器のあったすぐ近くにまで来ています。 上の写真の仮根束は赤紫色で、美しく分かり易いですね。

(2017.6.7. 大津市坂本)

 フタバネゼニゴケの葉状体や杯状体(無性芽器)についてはこちらに載せています。

2017-06-18

ソリシダレゴケ


 上の写真、樹幹から垂れ下がる紐状のコケはハイヒモゴケ科のコケでしょう。 図鑑の記載とは少し異なる特徴も見られるのですが、とりあえずサメジマタスキ Pseudobarbella attenuata としておきます。 ソリシダレゴケ Chrysocladium retrorsum だったようです。 メールで教えていただきました。


 枝は乾くと湾曲します。 葉の長さは2mmあまりです。 中部で背方に反り返っている葉が混じっています。


 上の写真程度の拡大で、パピラの存在が分かります。 最初に同定が誤っていたことを書きましたが、平凡社の図鑑の葉身細胞の図にはこのパピラが描かれておらず(描き漏れ?)、候補から外していました。



 葉は広卵形で、先は細く漸尖して毛状に伸びています。 葉基部の両翼は耳状になっています。 葉縁には全周に歯があり、中肋は葉の中部に達しています。



 葉縁の歯は上方ほどより大きく鋭く、下方に曲がる歯も多く見られます。 葉身細胞の中央に1個のパピラがあります。


 葉身細胞は長い菱形で、25~32㎛ほどの長さがあります。

(2017.6.7. 大津市坂本)

2017-06-16

私の撮ったコケの写真が産経新聞に


 私の撮ったコケの写真が、6月10日の産経新聞(朝刊)に載りました。 上がその記事で、右下隅に私の名前が出ています。
 ブログの記事は予め作っておき、日付を指定して更新するようにしておきましたが、じつは13日~15日までコケの観察を主目的に北八ヶ岳にいましたので、留守中に郵送で届いていた新聞の該当記事を写真にして、今日載せることになりました。
 大きな記事ですので字が小さくなりましたが、大きなモニター画面ですと、どうにか文字が読めると思います。

2017-06-15

イチモンジチョウ・アサマイチモンジ


 上はイチモンジチョウ Ladoga camilla です。 2017.5.23.に「堺自然ふれあいの森」で撮影しました。


 上はアサマイチモンジ Ladoga glorifica です。 2015.6.7.に「堺自然ふれあいの森」で撮影しました。
 イチモンジチョウによく似ていますが、前翅中室の白紋(上の写真のa)が顕著に表れ、前翅外縁の白紋(上の写真のb)が不明瞭になります。 また下の写真のように、複眼には毛がありませんが、イチモンジチョウの複眼には毛があります(1枚目の写真をよく見ると、なんとなく分かります)。



2017-06-14

フェイジョアの花


 フェイジョア Feijoa sellowiana は南米原産のフトモモ科の常緑低木です。 日本でも関東以南で露地栽培が可能なため、果樹として栽培される他、庭木や生垣としても利用されています。


 フェイジョアの花は、咲いてしばらくは上のように花弁を広げていますが、厚みのある花弁はすぐに丸まって垂れ下がり、下のように花弁の裏側の白い色ばかりが表に出るようになります。


 フェイジョアの花は赤い色が目立ちます。 昆虫は赤い色が見えず、人が品種改良で創り出したものを除けば、赤い花の多くは鳥媒花です。 花の大きさやオシベの多さからしても、原産地ではハチドリが花粉を媒介しているのでしょう。
 白い花弁は光を反射して花のありかを教えることにも役立っているのでしょうが、この花弁には甘みがあります。 ハチドリにしてみれば、厚みがあって丸まっている花弁は餌が垂れ下がっているようなものではないでしょうか。
 フェイジョアの花は鳥にはよく見える赤い色と花弁の餌で鳥を呼び寄せ、花粉媒介をしてもらっているようです。

(撮影 : 2017.5.31. 長居植物園)

2017-06-13

クロナガオサムシ?



 写真のオサムシは、胸部と上翅の両側は青い色を帯びていて、左右の上翅に各4本の鎖状の筋があるように見えたことから、オオオサムシ Carabus dehaanii としていましたが、触角の根元4節が黒く、その先は短毛が密生していて褐色に見えていることから、クロナガオサムシ Carabus procerulus に訂正します。 ただ、クロナガオサムシにしては光沢がありすぎるようにも思うので、これも自信がありません。
 オサムシは難しい・・・。


(2017.5.10. 高槻市出灰)

2017-06-12

アマサギ




 田植えの終わったばかりの田の上を飛ぶアマサギ Bubulcus ibis、じつは4月18日に西表島で撮ったものです。
 アマサギは大阪府下でも夏鳥として見ることができますが(こちら)、九州以南では年中見ることができます。


2017-06-11

チヂミカヤゴケの“花”と葉身細胞


 チヂミカヤゴケ Macvicaria ulophylla は前に載せていますが(こちら)、蒴が花のように美しく裂けていましたので載せておきます。 上は乾いた状態で、下は雨に濡れた状態です。


 チヂミカヤゴケの蒴は球形で、8裂しています。

 また、前回は葉身細胞を載せていませんでしたので、下に載せておきます。


 クラマゴケモドキ科の油体は種による違いがほとんど無く、小さい楕円体の油体が均質に各細胞に数十個見られます。

(2017.6.7. 大津市坂本)