2017-06-25

6月中旬のエゾチョウチンゴケ ②

 昨日は、6月中旬の北八ヶ岳ではエゾチョウチンゴケの新しく伸びた植物体と古い昨年の植物体が併存していて、後者では鞭枝とも呼ばれる無性芽が目立ち、たくさん見られた胞子体も後者の茎頂についていることを書きました。
 では新しい植物体はどのような状態なのでしょうか。


 上はエゾチョウチンゴケの新しい植物体を斜め上から見たところです。 茎頂に造精器らしきものが作られているように見えるものや、造卵器が作られているのではないかと思われるものもあったので、この部分の断面をいくつか作ってみると・・・



 造卵器らしきものや造精器らしきものもあったのですが、もしそうであったとしても、かなり初期のもののようです。


 無性芽(鞭枝)に関しては、ほとんど見られないものから、上のように葉と同じくらいの長さにまで伸びた無性芽をつけているものもありました。 上のように拡大してみると、無性芽は鞭枝と言われているようにたしかに枝のようで、小さな葉のようなものをつけています。


 葉は卵状披針形です。 上の写真では葉の基部に小さな鞭枝がついています。
 下はこの葉の先の部分を拡大したものです。


 中肋は葉先近くに達し、数個の(上の写真では1つの)歯があります。 舷は2細胞列で、対になった小歯がついています。


 葉身細胞は方形~六角形で長さは10~16μm、厚角でパピラが目立ちます(上の写真)。

(2017.6.15. 北八ヶ岳)

こちらではエゾチョウチンゴケの葉を詳しく見ています。


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