2015-01-13

イシハラナガカメムシの幼虫


 2014年12月24日、「堺自然ふれあいの森」の木道の手すりの上を、写真のようなカメムシの幼虫が歩いていました。 体長は2.1mmでした。 カメムシBBSにお尋ねしたところ( No.9816~9819 )、ナガカメムシの一種の幼虫だろうということになりました。

 2015年1月11日、1枚目の写真のすぐ傍の、木道の手すりに接するリョウブの枝で、下の写真の幼虫を見つけました。 このリョウブはそんなに大きな木ではなく、幼虫はこの1頭しか見つけられませんでした。 場所からしても1枚目のものと同一個体だと思いますし、仮に別個体だとしても、姿からして同一種でしょう。



 上の写真で、この個体の口針は口吻と分離しています(注)。 つまり口針の先端はリョウブの枝に刺し込まれています。 この幼虫はリョウブの枝にたまたまいるのではなく、餌をリョウブの樹液に頼っている可能性が高いということになります。
 再度カメムシBBSにお尋ねしたところ( No.9821~9824 )、鶉様よりリョウブであればイシハラナガカメムシ( Pylorgus ishiharai )の幼虫だろうとの回答をいただきました。 日本産Pylorgus属のうちで幼虫越冬をするのは、イシハラナガカメムシと、これに似たヤスマツナガカメムシですが、ヤスマツのホストはキリということです。

 1枚目の写真を撮った日には、その近くで下のような幼虫も見ています。



 これもイシハラナガカメムシの幼虫だと思うのですが、翅原基が発達してきているのに体長がほぼ同じでしたので、少し疑問が残ります。

(注) 口吻と口針について


 口吻は下唇からなり、口針は大あごと小あごからなります。 吸汁していない時は、口針は口吻内に隠れています。

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