2017-02-23

リョウブの冬芽と葉痕

 リョウブ Clethra barbinervis は幹の模様から、林の中でもその存在が目につきます。 しかしその他の特徴に関しては、一見平凡な植物にも見えますが、世界的にも1科1属(64種ほど存在するようです)で、日本では1科1属1種で、細かく見ると、いろいろおもしろい特徴を持っています。 花のつくりも特徴的ですし、ツボミから花を経て果実に至る変化もなかなかおもしろいものですが、今回は冬芽と葉痕に注目してみました。


 上はリョウブの冬芽です。 芽鱗はあるのですが、芽の生長で押し上げられるのか芽鱗が乾燥して縮むのか、上の写真のように芽鱗の基部が離れ、傘のように開いた姿をよく目にします。 風などでこの芽鱗が落ちてしまうと裸芽のようになります。
 葉痕はハート型~三角形で、冬芽近くでは幅広ですが、冬芽から離れるにつれて縦に長くなっていきます。 葉痕の中央には維管束痕が1つあります。
 上の写真の冬芽も鳥追い笠を被った顔と見れなくもないですが・・・


 上の写真、だれかさんに似てませんか? 複数の葉痕の配置によっては大きな維管束痕が目のように見えてきます。

(2017.2.22. 堺自然ふれあいの森)

2017-02-22

アブラゴケの胞子体

 蒴のついたアブラゴケの写真を集めてみました。

2015.10.30. 堺市南区豊田

2016.11.30. 堺自然ふれあいの森

2017.2.22. 堺自然ふれあいの森

2015.11.11. 六甲山

 日付けを見ると、アブラゴケの蒴は春(2月頃)と秋(11月頃)に目立っているようですが、2月頃の蒴は秋にできるはずのものが冬の寒さで遅れたのか、受精の時期が2度あるのか、どちらでしょうね。

◎ アブラゴケの葉の様子や無性芽などはこちらに載せています。

2017-02-20

ケチャタテの一種



 ヤツデの葉の裏にいたケチャタテの一種です。 体長は、きっちり測定できていないのですが、4mmほどです。
 体色が黄色系のケチャタテはこれまで何度か載せていて、いちばんよく似ているのはこちらですが、やはり別種のように思います。

(2017.2.3. 錦織公園)

2017-02-19

ゼニゴケの精子


 ゼニゴケの雄器床に水を垂らすと、たくさんの精子が雲が湧き立つように出てきました。(写真の右下の白い部分は水に光が反射したものです。)


 上が精子を出した雄器床です。 精子を出した後に乾かして撮りましたので、少し皺がよっています。 1枚目の写真は、ほぼ上の赤で囲んだ所です。

 精子で白濁した水をスポイトで取って顕微鏡で観察すると・・・


 上が精子です。 造精器中の精子は膜状のもの (ゼリー層?: 正式な名称は調べたのですが、分かりませんでした) で保護されていて、雄器床に水滴が落ちると、丸く保護された状態のままで放出されるようです。 上の写真の下には、まだその球形の“保護膜”から抜け出せずにいるものが複数写っていますが、写真中央には鞭毛を振って泳ぐ長さ10μmあまりの細長い精子が写っています。
 下は動画で、開始早々に画面が拡大しますが、拡大後の画面の長辺が約 100μmです。


 倍率を上げれば上げるほど被写界深度は浅くなります。 大きな画面をお持ちの方は、上の動画を中央の“右向き三角”でスタートさせてから、画面右下隅の「全画面」(途切れ四角のアイコン)をクリックしていただくと、少しは分かり易くなると思います。
 ゼニゴケの精子は細長く、頭部にある長い2本の鞭毛で泳いでいるのですが、細くて動くスピードも速い鞭毛はほとんど見えません。

 観察材料にしたゼニゴケ(雄株)は、2017.2.8.に西宮市名塩で採集したものを持ち帰り、雄器托が育つのを待って、今日観察したものです。

◎ ゼニゴケの雄器床の断面などはこちらに載せています。


2017-02-18

クサシギ


 上はクサシギ Tringa ochropus です。 遠くて暗い所にいるのを無理して撮って大トリミングしていますので、画質は荒く、ブレていますが・・・。
 イソシギに似ていますが、① 体の下面の白が肩の部分に食い込んでいませんし、② 翼と尾がほぼ同じ長さです。
 クサシギは、春と秋の渡りの時期には旅鳥として全国的に渡来しますが、関東以南では冬鳥として越冬します。 写真のクサシギは、時期からしても、越冬中の個体でしょう。

(2017.2.11. 堺自然ふれあいの森)