2015-03-31

オオシマザクラ

 桜の季節ですね。 最近はあちこちでいろんな桜も見られるようになってきましたが、やはり多いのはソメイヨシノですね。 このソメイヨシノはエドヒガン系品種とオオシマザクラの交配で作られたものと考えられています。 そのオオシマザクラが美しく咲いていました。
(追記) 2015.4.5.のNHK「サイエンスZERO」で「ソメイヨシノの起源に迫る」が放送されました。 その中で、ソメイヨシノには多くの野生種の桜の遺伝子が混じっており、遺伝子解析の結果は、エドヒガン47%、オオシマザクラ37%、ヤマザクラ11%、不明5%というものだったようです。 そのことから、ソメイヨシノの片親はエドヒガンで、もう片親はオオシマザクラとヤマザクラの雑種である可能性が高くなったというものでした。


 オオシマザクラの花色はほぼ白で、新葉が開きはじめると同時に散房状花序につけます。


 上はオオシマザクラのガク筒の様子を見たものです。 ソメイヨシノのガク筒は下部が膨れ、ガク筒や花柄に細毛がありますが、オオシマザクラのガク筒の下部は膨れず、毛も目立ちません。


 オオシマザクラの葉は、他のサクラの仲間に比較して、丸みが強いようです。 また葉にも毛が少なく、柔らかい葉ですので、桜餅の葉にはオオシマザクラの葉が使われています。


 桜の仲間の葉には蜜腺が見られます。この蜜腺の様子もサクラの種類を見分けるポイントの1つになります。 オオシマザクラの蜜腺は、葉柄の上端部に不揃いな2個がつきます(上の写真)。

(2015.3.28. 大阪市・長居公園)

2015-03-30

サツマキジラミの幼虫

 前に3月6日に撮ったサツマキジラミの交尾などを載せましたが(こちら)、その時に背景に幼虫も写っています。 これらの幼虫は間もなく羽化する終齢幼虫だと思われますが、その後、サツマキジラミの食餌植物であるシャリンバイで、たくさんの若齢幼虫をみつけることができました。 小さな幼虫は芽鱗の内側に隠れている場合が多いのですが、様々な齢の幼虫が混じっているケースも多いようです。


 上は3月8日に撮ったものですが芽の頂に成虫がいて、その下の芽鱗に隠れるように、たくさんの若齢幼虫がいます。 特に水色の線で示した所は、たくさんの幼虫の体の一部が見えています。


 上の写真には、右上と左下、それにピントは外れていますが中央やや下の3ヶ所に幼虫がいますが、齢は3頭とも異なるようです。


 上の2頭は若齢幼虫で、翅原基もはっきりしません。 体長は 1.0~1.1mmです。


 上は3月22日に撮ったもので、体長は 2.9mmでした。 たぶん終齢幼虫だと思います。


 上は羽化後の脱皮殻です。 こんなに色を残して羽化するんですね。

(堺市南区 大蓮公園・茶山公園)

マキノゴケ


 3月12日、堺市南区豊田でマキノゴケ Makinoa crispata が胞子体を伸ばしていました(上の写真)。 葉状体の縁は波状に縮んでいます。 3月24日に同じ場所を見に行くと、たくさんの胞子体が胞子を出していました(下の写真)。


 葉状体から成る蘚類は無く、マキノゴケは苔類です。 ツボミゴケ科のところで、多くの苔類の蒴は4裂すると書きました。 しかし・・・


 上は胞子を飛ばしたマキノゴケの蒴です。 茶色い糸くずのようなものは胞子を飛ばす助けとなる弾糸です。 写真のように、マキノゴケの蒴は1ヶ所で裂けるだけです。


 風の無い室内で、白いボードの上にまだ裂けていないマキノゴケの蒴を置き、自然に裂けるのを待ったところ、弾糸が出て下に胞子がたくさん落ちていました。 上は、その弾糸の出ている蒴を少し左にずらしたところです。 右が胞子で、緑色を帯びた黒っぽい色をしています。
 上で弾糸は胞子を飛ばす助けとなるものだと書きましたが、上の写真を見ると、弾糸の広がりと胞子の落ちている面積とが、ほぼ一致しています。 弾糸は胞子を絡ませて蒴の外へ運びますが、勢いよく胞子を撥ね飛ばすような運動をするわけでは無さそうです。 弾糸と共に蒴の外に出た胞子は、風に乗って遠くに運ばれるのでしょう。



 上は弾糸の顕微鏡写真で、丸いのは胞子です。 マキノゴケの弾糸では中央部にだけらせん状の帯が見られます。


 マキノゴケは雌雄異株です。 胞子体をつけているのはもちろん雌株ですが、上は雄株の先の部分です。 写真の三日月形をした凹みには、夏から秋にかけて雄器がたくさん作られます。 この雄器で作られた精子が雌株の雌器で作られた卵に泳ぎ着いて受精し、受精卵からの胚がこの時期に見られる胞子体に育っているわけです。
◎  マキノゴケの雄器や雌器の様子(12月の様子)はこちらに載せています。

 牧野富太郎博士は種子植物やシダ植物で多くの業績を残されていますが、コケ植物もたくさん採集されています。 マキノゴケの和名は、牧野博士を記念して命名されたものです。

2015-03-29

マツワラジカイガラムシ?



 クロマツにいたワラジカイガラムシの幼虫、マツワラジカイガラムシ( Drosicha pinicola )というのがいるようなのですが、ネットで写真を探しても見つかりませんでした。

(2015.3.20. 長居植物園)

マルバタチツボスミレ

 写真はマルバタチツボスミレでしょう。 うすのきさんに咲いている場所を教えてもらいました。


 マルバタチツボスミレは、タチツボスミレとニオイタチツボスミレの雑種とされていて、その中間的な形質を示します。 タチツボスミレとニオイタチツボスミレはこちらに載せていますので、比較してみてください。


 距や花柄の様子を撮ろうとした時に、ちょうどビロードツリアブがやってきました(上の写真)。 花柄に毛のあるマルバタチツボスミレが多いようです。


 上はメシベの様子です。 メシベの上部の形はスミレの仲間の分類で大きなポイントになるのですが、これもタチツボスミレとニオイタチツボスミレの中間的な形質を示しているようです。


 葉形は名前のように丸みを帯びたものが多いようです。


2015-03-28

ヤヨイヒメハナバチ

 3月17日、特に撮りたい対象も無いままに訪れた公園で、ヒメハナバチ狙いで来られていたうすのきさんにお会いして、いろいろ教えていただきました。
 毎年ヤヨイヒメハナバチが営巣するという所にも案内していただき、写真を撮ろうとしたのですが、動きが速く、なかなか撮れません。 数日後にはもう少し落ち着くからと聞いたのですが、機会が無く、26日に行った時には既に遅く、ヤヨイヒメハナバチはほとんど姿を消していました。
 というわけで、満足のいく写真の無いままに17日の様子から・・・。 この日は午前中はオスの姿ばかりが目立ち、昼からはメスも多くなりました。 昆虫の羽化では、オスが先に羽化し、メスの羽化を待ち構えるケースがよく見られますが、そのこととの類似を感じました。 オスはメスを探すことに焦り、メスは気温が高くなって動きやすくなってから徐に行動を開始するのでしょうか。

 まずはメスから。


 ヤヨイヒメハナバチは既にある穴を利用して営巣するようですが、メスは穴に入ってさかんにモゾモゾしていました。 見えるのはお尻のみで、なかなか出てきません。 営巣場所の整備をしているのでしょうか。



 穴から出ると、すぐに飛び立ってしまいます(上の写真)。



 上はヤヨイヒメハナバチのオスだろうと思います。 メスに見られる顔孔(複眼の横の凹み)はオスには見られません。

2015-03-27

アカイチイゴケの胞子体

 2月14日に記事にしたアカイチイゴケに、胞子体の写真を追加しておきました。

クモノスゴケの胞子体

 クモノスゴケについては葉状体の様子を1月に載せましたが(こちら)、その後、胞子体が作られはじめました。 以下は胞子を飛散させるまでの様子です。

● 2月3日



 胞子体の形成が始まっています。 偽花被に保護されて、色の濃い部分に蒴があるのでしょう。

● 3月4日



 胞子体が偽花被の外に姿を見せはじめました。 黒い部分が蒴で、白い部分は蒴柄です。

● 3月24日


 蒴が裂けて胞子が散布されています。 胞子は写真に写るような大きさのものではありませんが、裂けた蒴の所に見られる褐色の糸くずのようなものは「弾糸」と呼ばれるもので、これが広がることで胞子が散布されます。 下はその拡大です。


 この弾糸を顕微鏡で見たのが下です。



(撮影場所:堺市南区豊田)

※ 雌器の包膜(雌包膜)と雄器の包膜(雄包膜)が見られた5月下旬の様子はこちらに載せています。



ケバエの一種





 草むらをウロウロしていたケバエの一種、キスネアシボソケバエかとも思いますが、よくわかりません。 なぜ飛んで逃げないのかと思っていましたが、左の翅が傷んでいます。

(2015.3.18. 堺自然ふれあいの森)

2015-03-26

ゴイサギの飛翔


 夜に大きな声で鳴きながら飛ぶので夜烏(よがらす)とも呼ばれるゴイサギですが、この時は静かに飛んでいました。 どんな時に飛びながら鳴くんでしょうね。 繁殖と関係あるのでしょうか。

(2015.3.13. 淀川)

ツクシツボミゴケ

 当初はタイトルを「ツボミゴケ科の1種」としていましたが、ツクシツボミゴケ Jungermannia truncata のようです。 同定の根拠となった形態的特徴はこちらに載せ、この記事はタイトルの変更のみにとどめます。


植物体を腹面から

葉の細胞

 ここに載せた写真は1月下旬から2月中旬にかけて堺市南区豊田で撮ったものです。 写真の苔類はツボミゴケ科の1種だと思うのですが、種名を調べているうちに時間が経過して今になってしまいました。 種名は不明のままですが、とりあえず載せておきます。
 以下、撮影の日付は前後しますが、胞子体の変化がわかるように写真を並べておきます。

黒い楕円体が蒴です

蒴柄が伸びてきます

蒴が割れはじめ、胞子が出ています

蒴は4裂しています

 多くの苔類の蒴は上のように4裂して胞子をとばします。


2015-03-25

ハナバエ属(Anthomyia)の一種

 今年は「堺自然ふれあいの森」で、なぜかこのハナバエがたくさんいます。 このハエは以前にもメスをブログに載せています(こちら)が、雌雄とも撮れましたので、再度の登場です。

 まずは前回載せられなかったオスです。 体長は6.5mmでした。





 オスはメスと比較して複眼の間隔が狭くなっています。 下の2枚はメスです。