2016-12-29

ホソヤスデゴケ


 岩上を這うように伸びているヤスデゴケ、上の写真左上の細長いものが気になって、赤い四角で囲った部分を拡大すると・・・


 細長いもの(上の写真の左上)はムラサキトビムシ科の一種でしたが、拡大した結果、光の当たり具合でヤスデゴケの所々の葉に2~4個の眼点細胞が1列に並んでいるのが見えました(黄色の二重円で囲った部分が比較的分かり易いでしょう)。 このような少数の眼点細胞が並ぶことなどから、このコケはホソヤスデゴケ Frullania densiloba でしょう。



 眼点細胞は透過光で背面から見るとはっきりします(上の2枚の写真)。 重なり合っている背片は卵形です。


 上は腹面から撮ったものです。 円筒形の腹片が規則正しく並んでいます。 スケールを入れていますが、写真は枝を撮っていますので、茎の場合に比べると全体的に少し小さめです。


 上のように腹片の頂端が茎の方に傾いている枝葉もよく見られました。



 腹葉は茎と重なって見難いのですが、長楕円形で幅は茎の 1.5倍ほど、頂端は先から1/3~1/2が2裂していて裂片の先は鈍形です(上の写真)。

(2016.12.14. 宝塚市最明寺川)

◎ ホソヤスデゴケはこちらにも載せています。