2017-04-04

キブリナギゴケ


 写真はキブリナギゴケ Kindbergia arbuscula です。 大型のコケで、羽状に多数の枝を広げた茎もあれば、真っ直ぐに上に伸びた、まだ枝をほとんどつけていない茎もあり、なかなか見栄えがします。 手に取ってみると、丈夫そうな触感でした。
 平凡社の図鑑では生育場所は「渓谷の湿った岩上」となっていますが、写真の場所はスギ林の中の小径の脇の腐植土の上でした。


 一次茎は横に這い、二次茎は立ち上がって上に伸び、そこから多くの枝を2~3回羽状に出しますが、枝が多くなるにつれ、その重みで次第に傾いていくようです。


 上は二次茎の一部(左)と枝の先(右)を撮ったものですが、茎葉と枝葉は形も大きさもかなり異なっています。


 上は茎葉です。 葉だけうまく取れないので、二次茎の横断面つきです。


 せっかくですので二次茎の横断面も見ておきます。 茎の中心には明瞭な中心束があり、茎の周辺部には小さな厚壁の細胞がたくさん見られます。


 中肋は葉先近くにまで伸びていて、背面の先端に1個の刺があります。 あちこちが紅色になっている葉を観察に使いましたが、全体が緑色の葉と細胞の様子に違いは見られませんでした。


 葉身細胞は狭楕円形~線形で、長さは 35~45μmほどです。


 上は枝葉です。 枝葉は広卵形で短く漸尖し、鋭頭です。 中肋の先が1個の刺で終わっていることなどは茎葉と同じです。

(2017.3.25. 徳島県海部郡海陽町相川)

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