2017-07-31

ノコギリゴケ@7月



 写真はノコギリゴケ Duthiella flaccida でしょう。 7月中旬の撮影ですが、古い枝の上に瑞々しい新しい枝が出て、肉眼的には2種類のコケが混じっているように見えます。


 上がノコギリゴケの育っていた場所です。 滝の水が岩を伝い、ノコギリゴケの表面はしっとりと濡れていました。


 羽状に分枝する這った茎から枝が出て、古い枝から新しい枝が出て・・・というふうに生長していくように見えます。


 葉は多少扁平につき、長さは 1.5~1.8mmです。



 葉は基部から漸尖し、鋭頭で、葉縁には小さな歯があります。 中肋は葉先よりかなり下で終わっています。


 葉身細胞は長い六角形で、長さは 15~25μmです。 各細胞の中央には数個のパピラが1列に並んでいます。

(2017.7.12.大阪府高槻市 摂津峡)

2017-07-30

アミガサハゴロモ


 ガラス窓にとまっていたアミガサハゴロモ Pochazia albomaculata、腹に白いものが見えたので、ハゴロモヤドリガに寄生されているのかと思い、写真で拡大してみると、糸状のものの塊でした。
 この白い糸状のものは、たぶんワックスでしょう。 これらの幼虫は腹部末端から糸状のワックスを出して身を守っていますが(こちら)、成虫も糸状のワックスをだせるのでしょうか。 もしかしたら卵をこのように糸状のワックスで覆って保護するのではないかと思い、調べてみましたが、分かりませんでした。



 最近はアミガサハゴロモを見つけてもスルーしていましたので、久しぶりに背面からも、特に模様のおもしろい複眼を狙って撮ってみました。

(2017.7.27. 堺市南区高倉台)

2017-07-29

シフネルゴケ


 ヤバネゴケ科のシフネルゴケ Schiffneria hyalina をいただきました。 常緑樹林の根元や倒木上に生育するコケで、和名はドイツのコケ研究者 V. F. Schiffner(1862-1944)に由来するようです。
 ヤバネゴケ科の多くは断面が円柱形の茎に葉をつけていますが、このシフネルゴケの植物体はリボン状です。
 下は上の写真の右下の半円形の葉が連なっているように見える部分を拡大したものですが・・・



 茎と葉の境はよく分かりませんが、透過光で見ると茎に近い所は2細胞層になっているのがわかります。 なお、シフネルゴケには腹葉はありません。


 葉身細胞は方形~多角形、薄壁でトリゴンはありません。

2017-07-28

イヌセンボンタケ


 横倒しになった朽木にびっしりと生えているキノコ、イヌセンボンタケ Coprinellus disseminatus でしょう。


 拡大してみると傘も柄も微毛に覆われています。

(2017.7.12. 高槻市 摂津峡)

2017-07-27

シジュウカラの若鳥が食べていたモモスズメ?成虫

 春に生まれた若鳥たちの動きが目立つ時期です。 木の枝に飛来したシジュウカラの若鳥が何かをつついていました。 最初は枝についている虫でもつついているのだろうと思いましたが、全く場所を移動せず、熱心につついているので、双眼鏡で確認したところ、大きな蛾を足で押さえつけてつついていました。 蛾は時々翅を激しく動かしています。
 写真を撮りたかったのですが、こちらが動けばきっと逃げられるだろうと、しばらく双眼鏡で見ていたのですが、蛾の翅が1枚捨てられたのを確認してカメラを向けようとしたところ、やはりその動きで蛾を咥えたまま飛び去ってしまいました。 下がその残された翅です。 モモスズメの後翅でしょうか。(下の写真のスケールの最小目盛は1mmです。)
 こんな大きな蛾も餌にするということと、昼間は動かない蛾でも若鳥が餌として認識できるということに少し驚きました。


(2017.7.27. 堺市南区高倉台)


2017-07-26

ミヤマスギバゴケ




 上はミヤマスギバゴケ Lepidozia subtransversa でしょう。 昨年の7月20日に北八ヶ岳で撮ったものです。 雨で濡れて特徴は分かりにくくなっていますが、茎は力強く斜めに立ち上がる傾向を見せています。


  茎の幅は葉を含めると、太い所では1mmほどあります。 同じ亜寒帯針葉樹林帯で見られたハイスギバゴケの葉を含めた茎の幅は、自然に生育している状態で 0.5mmほどです。


 上は背面から撮った葉です。



 上の2枚は腹面から腹葉にピントを合わせて撮った写真です。 腹葉は4裂していて、各裂片の基部の幅は6~7細胞(ハイスギバゴケでは2~4細胞)です。

2017-07-25

ホソバコケシノブ


 上はホソバコケシノブ Hymenophyllum polyanthos だと思います。 たくさんの包膜が目立っています。 北八ヶ岳の標高 2100mほどの所で 2017.6.14.に撮りました。
 ホソバコケシノブは分布も広く様々な環境に出現し、形態も多様です。


 包膜の中を狙って深度合成してみました。 たくさんの胞子嚢が見えます。

◎ もう少し若い胞子嚢をつけたホソバコケシノブをこちらに載せています。


私の撮った写真がテレビで使われる予定です

 7月27日(木)に、TBSの朝の報道番組「あさチャン」の「あさトク」コーナーで、コケの特集が放送されます。内容はコケの名所である奥入瀬と北八ヶ岳の取材レポートなどですが、ヒカリゴケの光るしくみの説明に私の撮ったヒカリゴケのレンズ状細胞の写真が1枚使われるようです。
 大きな緊急のニュースでも入らない限り、7時40分過ぎからの放送になるようですので、コケに関心のある方はご覧になってみてください。

2017-07-24

ハイスギバゴケ


 上の写真、いろんなコケが混じっていますが、丸い葉をつけて長く伸びているのは・・・


 上は腹面から撮ったものです。 1枚目で丸い葉と見えたのは乾燥気味で内曲していたからで、葉も腹葉も先が切れ込んでいます。 あちこちに鞭枝も見られます。 ハイスギバゴケ Lepidozia reptans のようです。
 ハイスギバゴケは北半球の冷温帯に分布するコケです。



 上は背面から撮った葉です。 葉はほぼ1/2まで3~4裂し、各裂片基部の幅は4~8細胞です。


 上は腹面から腹葉にピントを合わせて撮った写真です。 腹葉は1/3ほどまで4裂し、各裂片の基部の幅は2~4細胞です。



 上は鞭枝とその先端の拡大です。 仮根は鞭枝の先から出ています。

(2017.6.15. 北八ヶ岳)

2017-07-23

ヒメミズゴケ


 上はヒメミズゴケ Sphagnum fimbriatum でしょう。 枝葉の先端は少し反り返っています。


 名前のとおり少し小形のほっそりとしたミズゴケです。(スケールの目盛の単位は mmです。)
 ホソバミズゴケの近縁種だけあって、やはり下垂枝は長めです。


 上は、右下(スケールの上付近)が少し欠けてしまいましたが、茎葉です。 ヒメミズゴケの茎葉は先端だけでなく側方までささくれています。


 上は枝葉です。

(2017.6.15. 北八ヶ岳)

2017-07-22

タカネミゾゴケ


 上はタカネミゾゴケ Marsupella emarginata ssp. tubulosa でしょう。 葉は茎の左右に並んでいます。


 湿らせて葉を開かせました。 水が多すぎて、テカテカ光ってしまいましたが・・・ 葉は 1/5~1/3 ほど2裂しています。 よ~く見ると、不等に2裂していて、腹側(写真の下側または奥)の方が少し大きいようです。


 上が1枚の葉で、写真の下が腹側(基物側)です。 左側には茎の組織がくっついています。 葉の幅と高さはほぼ同じです。


 上は葉身細胞で、大きなトリゴンがあります。
 タカネミゾゴケの葉身細胞には各細胞に眼点を持つ2個の油体があるはずですが上の写真ではよく分かりません。 じつはタカネミゾゴケを採集してからビニール袋に入れたまま1ヶ月以上も放置してしまいました。 油体は時間が経つと消えてしまいます。

 タカネミゾゴケの特徴は油体からは確認できませんでしたが、特徴的な葉ですから、まず間違いは無いでしょう。

(2017.6.15. 北八ヶ岳)

2017-07-21

コヨウラクツツジ


 写真はコヨウラクツツジ Menziesia pentandra です。 6月中旬の標高 2,000m付近の北八ヶ岳で、新葉の展開と競うように咲いていました。


 ツボミを見るとよく分かりますが、花は左右相称で、歪んだ壺型をしています。 花柄には腺毛が散生しています。


 上の写真の右側には花が終わって残ったメシベが写っていますが、花柱も曲がっています。

(2017.6.13. 北八ヶ岳)

2017-07-20

カギカモジゴケ


 上はカギカモジゴケ Dicranum hamulosum でしょう。 写真が 90°回転してしまっているように見えますが、樹幹についているものを撮っており、写真はこれで正しい上下関係を示しています。
 蒴は蒴柄に対して直立し、円筒形です。


葉は密についています。


 上は茎の中ほどの葉で、長さは5mmあまりです。


 上は葉の先の部分です。 中肋は葉先に終わっています。 左上に葉先の拡大を載せましたが、歯は2重になっています。


 翼部の細胞はよく分化しています。


 葉身細胞は一様に肥厚しています。


 蒴歯は1列16本で、中部まで2裂しています。

(2017.6.14. 北八ヶ岳)